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「うわぁ…結構長居してたね。」

朋香はスマホを見ながら言う。

「ホントだ。もう7時?早いね。」

「朋ちゃんも梨華っち時間大丈夫?」

ふたりを心配して翔が聞く。

「あぁ私は大丈夫。親に遅くなるって言ってるから。」

朋香はそういいケーキに手を伸ばす。

「私は…ちょっと…」

梨華は申し訳なさそうに言った。

「じゃぁ、そろそろ帰ろうか。」

翔はそういい梨華のカバンを持った。

「待って私も行くわよ!」

朋香は急いでケーキを食べる。

「わぁぁ!!朋ちゃん喉詰まらせるからゆっくりでいいよ!!
おれっち会計済ませとくから!」

翔はそういい会計に向かった。

「なにあれ。なんかおかしくない?」

朋香はケーキを食べながら言う。

「うーん…。おかしいって言えばおかしい。」

(いつもだったらお会計とか自分で行かないのに…)

「ふぅ~…食べ終わった…。よしゃ翔のところ行きますか!」

朋香はそういい席をたった。

「朋ちゃん…千円貸して…」

翔はしょんぼりしながら朋香に言った。

「え?千円…?」

「おれっち…五千円くらいかなって思って会計行ったんだけど…
君ら食べ過ぎ。八千円オーバーしてたよ…」

翔はそういい自分の財布を見せた。

(あらら…)

「あ、じゃぁ私、出すよ!」

梨華はそういい財布から千円をだし翔に渡した。

翔はそれを受け取りまた会計に戻った。

「いいの?」

朋香は梨華の顔を覗き込むように言った。

「うん。大丈夫だよ。」

「そっか。じゃぁ…ごちそうになります梨華!」

「はいはい。あ、翔お会計ありがとう。」

梨華は会計から帰ってきた翔にお礼を言った。

「こんくらい大丈夫!おれっちバイトしてるから!」

「バイト!?いつの間に!?」

朋香は驚いて大きな声を出した。

「しー!!ここ店だよ朋ちゃん!!」

翔は朋香の口を抑えて言う。

「あぁ…ごめん。でも、いつから?」

朋香は店を出て翔に言う。

「んー…四ヶ月前から…かな?」

「なんのバイトしてるの?」

朋香は聞く。

「普通の居酒屋だよー」

「居酒屋って酔っ払いとかいるじゃん。私むりー」

朋香と翔は歩きながらそんな会話をしている。

「あ、私こっちだから。またね。」

梨華はそういい二人と別れた。