ロッカーを開けると、ひらり、封筒が落ちてきた。

ちょっと前の私ならラブレターだと舞い上がっていただろう。しかし今の私にとってこの紙切れは恐怖でしかない。

トイレに駆け込み、そっと中の手紙を取り出す。


そこにはやはり私への死の宣告がきれいな字で書かれていた。


―――――――――――

一年D組

名古屋 恵理香様


放課後
二棟 多目的ホールで待っています。

是非来てください。

二年A組

生徒会 書記

水戸 忍

―――――――――――


果たし状だ!!これ果たし状だ!!

恐怖におののき震えながら教室に入ると、アネたちが心配してくれたけど心配をかけたくないので『今高速反復横飛びしてるんだ』とか訳の分からない嘘をついておいた。騙してごめんね天使たち。


アネに無理やり保健室に連れて行かれそうになったのは焦った。アネは意外にも力が強いらしい。


全力で抗ったけどあっさりと保健室に連れて行かれてしまった。


「あの…アネ、本当に大丈夫なんだけど…」

「あんなに震えてたら大丈夫なんて思えないでしょ。エリカはもうちょっと僕のこと頼ってくれてもいいと思うんだけどな」

天使か……!

思わず悶絶してしまいそうになるような可愛らしい笑顔を見せてくれたアネには申し訳ないけど、君がいると余計に大変なことになるから…!

「あ、そろさろ授業始まるや。ごめんねエリカ、僕もう行かなきゃ……あ、一応薬おいとくね?ちゃんと飲むんだよ?」
「はーい」