キュリオの恋わずらいを聞いてから更に数日後…
エデンはちょっとした用事のため再び悠久を訪れていた―――



朝食が済んだ頃、キュリオは幼子を抱いて中庭に出ている。



「すまないアオイ、今日は公務があって一緒にいられないんだ…」



寂しそうに視線を落とすキュリオ。彼の表情から何を察したのか、腕の中の幼子は眉間に皺をよせ…悲しそうに瞳を潤ませた。



「あぁ…片時も離れたくないのは私も同じだよ。もう少し君が大きくなれば一緒に連れていけるのだけれど…」



大人たちのつまらない話など赤子のアオイにとっては雑音でしかない。落ち着いて休める場所もなければ…あたたかいミルクも用意できるかわからないのだ。



「許しておくれ…」



キュリオがすまなそうに頬を寄せる。このままずっと彼女のぬくもりを感じていたい…と願ったその時―――



「キュリオ殿、朝早くに申し訳ない。実は聞いておきたい事があってだな…」



振り返った悠久の王は、白銀の鎧に身を包んだ猛々しい第四位の王の姿を視界にうつした。



「エデン…どうしたんだい?こんな時間に…」



「あぁ、実は…」