「とりあえず座って?」


旬がそこにあった椅子に座るよう促し、座るや否や、あたしはその続きを催促した。


「ね、どういうこと?」


「もちろん最初は、SPIRALが優月ちゃんを攫ったと思ったんだけど」


「違うの?」


「ああ」


断言する旬に、より一層神経を耳に集中させた。


「今日のは、SPIRALは関係ないっぽいんだ」


SPIRALは関係ない?


「どういうこと?あの倉庫にいたのはSPIRALのメンバーなんでしょ?」


「確かにそうだ。だけどみんなザコばっかで、総長の澤城どころか幹部や軸のメンバーすらいなかった」