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「ありがとうございました」


「どういたしまして」


あたしはメットを取ると、同じようにメットを取った目の前の彼にお礼を言った。





「もう、明日から4月ですね」


「ああ。早いな」



あの事件から、3ヶ月が過ぎた。


2日前に満開になった桜が、夜の闇に風情をもたらす。


その時、生ぬるい風が吹き荒れ、あたしと彼……琉聖さんの上に花びらを散らした。


今日は風が強く、満開になったばかりの桜の木の下は、早くもピンク色の絨毯になっている。



今は、本部からの帰り道で、琉聖さんに送って来てもらったところだった。