――カチャ。


凌牙が居ると言われた部屋のドアを静かに開けた。



もう、夜中の2時だというのに煌々と明かりのつくこの部屋は。


……きっと、凌牙が目覚めた時のため。



ドアを開けた音のせいか、ベッドの中の凌牙が動いた気がして。



「あ……起こしちゃった?」



―――と。



――ガバッ…!!


ものすごい勢いで凌牙が布団を剥いだ。


「和希はどうした!」


「……っ」


「和希は!!」


「……大丈夫……もう……心配ないよ」


面食らいながらもその事実を伝えると、凌牙は一気に緊張を解いたように、大きく息を吐いた。


肩から大きな荷物を下ろしたように。