携帯の電源を落としていることから、最近は自然の光によって目覚めることが多く。


うっすら空が明るいのを見れば、もう朝の7時近くになるんだろうと、ほとんど眠れなかった頭でぼんやり思う。



そのぼんやりとした頭で考えることは……。




あたしは……。


壱冴を好きだったわけじゃない。


仮にそうだったとして、無人島に二人きりだったら、の話で。


壱冴に好きだと言われ、じゃああたしも好きになるという問題ではない。


昨日のことで、改めてあたしは壱冴を好きだったわけではないのだと自覚した。


いうならば、家族愛だったのかもしれない。


長く一緒に暮らし、みんなが見る目を変える中で、あたしへの態度を変えなかった壱冴。


そんな壱冴に、勝手な安心感を抱いていただけなのかもしれない……。