その日は、夕方まで凌牙と一緒に病院で過ごし。


迎えに来てくれたテルさんと共に、家へ帰った。


傷口はそんなに深くなかったようだけど、痛み止めが切れると痛いものはやっぱり痛く、少の振動でも顔を歪めてしまい。


それを見逃さなかった凌牙に、車を降りてからお姫様抱っこをされながら家の中に入る。


恥ずかしいからやめてなんて言うあたしの意見は、即刻却下で……。



「優月ちゃんっ!」


「大丈夫だったか!?」


テルさんが玄関を開けると、中からは旬と大翔が飛び出してきた。


「……あれ?本部に行ってないの…?」


まだ6時前なのに、家に居ることを不思議に思う。