side アオイ





苛立つ、苛立つ……。



無性に、腹が立つ!!





俺達の担任となった崎野護も!



やたら最愛に構う、あの甘栗遥ってふざけた名前のヤツも……!!





最愛に近づく人間、全員に苛立つ……。





「アオイ様、まだ怒ってるのですか?」





麓に寝そべる、俺の頭上からやってきた女。





「ヒルナ……。」



「それも、そちらのお姿で。」





俺は今、狼の姿でいる。



気が荒れていて、人間の姿を上手くコントロール出来ないのだ。





「……怒っていない。」



「嘘つき。崎野先生やあの男子生徒に、嫉妬しまくってるじゃないですか。」