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夏の、八月十三日。





――……人間共の使う、車の音が聞こえる。



俺達、動物が嫌うガソリンの臭い。





それと同時に香る、この匂い……。








人間の住む町





赤坂村を見下ろせる、山の麓に辿り着く。



此処から見下ろす赤坂村は、本当に小さい。



小さな人間共が、朝から慌ただしく動いていた。





そんな中、一人の老人だけは家の前でジッと誰かを待ってる様子。



……きっと、アイツの家だ。





匂いが強くなるにつれ、気持ちが高ぶる。





早く来ないかと、ずっと村を見ていた。