海夏「なんですか?」

あたしは、いつもと同じ表情で、先輩らしき人に話しかけた。

?「ここじゃ話しにくいから、付いてきて?」

そう言って、その人は歩いて行った。

普通、自分から呼びだしたのに、先行く?

はぁ。 

めんどいなぁ。

あたしも、その人を追った。


海夏「あの、どこ行くんですか?」

気づけば薄暗い所にいる。

朝だというのに、とても暗い。

?「もう少しで着くよ。」

先輩は、そう言うと、1つの空き教室の前で、足を止めた。 

?「入って。」

先輩に言われたので、渋々入る。

見た感じ、元々ここは、保健室だったらしい。

ベッドにデスク。椅子がある。

ーーガラガラ、カチャッ

先輩は、自分が入ると、鍵を閉めた。

そして、先輩は、ジリジリとあたしに近づいて来る。

海夏「あの、先……輩……?」

思わず後ずさりをしてしまう。 

後ずさりをしていると、ついに、ベッドに背中がついてしまった。

ど、どうしよう!!

戸惑っていると、あたしは、ベッドに押し倒された。

海夏「やめてください!はなして!」

あたしは、その時、この人が誰なのかわかった。

海夏「山……斗?」

そう。山斗は、あたしが恋をできなくさせた張本人。山斗とは。

橋岡山斗(ハシオカヤマト)。


昔、あたし達は、付き合っていた。

いつものように、山斗の、家に行って、山斗の、家に入った。

すると、山斗の部屋から、女の人の声が聞こえた。 

だからあたしは、山斗の部屋へ走って向かった。

そしたら、山斗と、あたしの知らない女の人がヤっていた。

山斗「海……夏……?どうして……。」

海夏「何でよ。何で!?もういい!!別れよ!!!」

あたしは、山斗にそう言って、家を出た。

山斗「海夏っ!!」

背後から山斗の、声が聞こえたけど、無視して走った。

それからあたしは、恋が、できなくなった。


海夏「離して。やめて!!」

あたしは必死に暴れた。

だけど、男の人に勝てるはずもなく、山斗はあたしの上に乗ってきた。

そして、ブラウスのボタンを1つずつ外していく。

海夏「やだっ!やめて!!」

ーーカチャッガラガラ

あたしが叫んだ瞬間、誰かがドアを開けた。

そして、ドスの効いた声が聞こえた。

?「そいつ、嫌がってんじゃん?離せや。」 
それに返事をする山斗。

山斗「別に、お前には関係ねぇだろ。それに、こいつも、楽しんでる!」

はぁ!? 

海夏「あたしは、楽しくない!!!助けてください!お願いします!!」

あたしが叫んだ瞬間、あたしの瞳からは、涙が出ていた。

すると、その男の子は、山斗を、あたしから、引き離し、山斗を殴った。

海夏「うぅ……。ヒック。」

さすがのあたしでも、これは、怖いよ……。

山斗「クソッ!これで終わりじゃねーぞ!海夏!!」

そう言って、山斗は、教室を出て行った。