「ただいまー」


私は久しぶりの我が家に帰ってきた





「おかえ…り…?」


出迎えてくれたのは父さんだった

母さんは私のすぐ後ろで
赤い目をして立っている


「父さん…」


「おかえり、鮎」


父さんは柔らかく笑ってくれた





笑ながらも上を向いて必死に
涙を溢すまいと頑張っているのは
気付かなかったことにする