土方さんの招集で、すぐに幹部による会議が開かれることになった。
私は空き部屋に案内され、「全員が揃うまで、ここで待っていろ」と土方さんに言われた。
大人しく待っていると、障子の外から声を掛けられた。
「おい、いるか」
「え、あ、はい。います」
すると障子が開けられ、そこには斎藤さんが立っていた。
「斎藤さん。
もう、皆さんお集まりになられたんですか？」
「いや、そうではない」
「では、なぜ？」
私が首を傾げると、斎藤さんは顔を背け、目線だけをこちらに向けた。
「……お前、本当に入隊するのか？」
「え？」
「今なら、まだ間に合う。
俺から局長に話をして、どこか良い奉公先を紹介してもらえることもできる。
だから……」
斎藤さんは、その先を言わなかったけど、彼が言いたいことはなんとなく分かった。
つまり、私に入隊を考え直せってことだよね……
斎藤さん、私が入隊するのを快く思ってないのかな……
