今までに味わった事のない恐怖が私の背筋をなでる。


あの後、私は「赤い人」に殺されたのだろう。


目を開けるとそこは私の部屋で、枕の横に置かれた携帯電話が「昨日」と同じ位置にある。


思い出したくもない感覚に包まれ、全身の痛みに耐えながら、私はゆっくりと上体を起こした。


「あいたたた……また身体を千切られたかな」


動作を大きくすると、バラバラになってしまいそうなほどの痛みに顔をしかめる。


それにしても……武司だよ。


死んでいたというのはわかった。


だけど、「赤い人」に殺されたにしては、身体がきれいだったのはどうして?


考えられる可能性はひとつ。













「『赤い人』が外に出る前に……もう死んでいた?」












どうしてそんな事に。


もしも、病気か何かで突然死したのなら、今日の夜も武司は死んでしまうって事?


「カラダ探し」が終わるまで毎晩、「赤い人」だけじゃなくて武司の目からも逃げなければならなくなる。


それは、私が「カラダ探し」をした時の健司の脅威を思い出してしまう。