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「あやめーーー!!!」


毎日の様にあやめが登校していたから、学校の場所はわかる。
後ろからいつもの様にダイブするこの女の事も。


アタシはあやめを作ると、その女のダイブを軽く避ける。
これはきっと“アタシの”条件反射。


「葉月、もーー!!」

「あっ、今日は逃げたな」

「はは、おはよう」

「おはよーー。で?」

「え?」


葉月はにやにやとしながら、アタシを見る。
それから肘で体をつんつんしてきた。

…殴ってやろうか?



「とぼけちゃってー!昨日の草野君とのおでぇっと!!どうだったの?」


…ああ、その事か。

イライラしながらも、アタシが笑顔を崩す事はない。
オン、オフなんて簡単だ。


本音を隠すことなんて造作もない事。