「わぁっ! これ、私にくれるの?」


「うん。クラスのみんなで作ったの」



私の目の前には、大きな千羽鶴。


赤、青、緑、黄色…………たくさんの色があって、すごくカラフルだ。



「始めは私と舞と蒼だけで鶴を折ってたんだけど、クラスのみんながやりたいって言ったから、すぐ終わったんだよ!」


と、歩実。



クラスのみんなで………折ってくれたんだ。



「夏休み前に、みんなで毎日休み時間に折り鶴を作ってたんだよ。なんとか夏休みが始まる前に千個作り終わって………」



「急いで折ったから、ぐちゃぐちゃなやつもあるけど。みんな詩音のために作ったの! 受け取って!」



舞がその大きな千羽鶴を私に差し出した。



「あ………ありがとう!」



私が言うと、舞と歩実はにっこりと笑ってどういたしまして、と言った。