ケータイ小説 野いちご

色気のない僕ら

Question


「…あーっ!!キュンキュンしたーいっ!!」





金曜日。

珍しく残業もなく、学生時代からの友人であり気心知れた女友達の家でのんびり飲んでいると。

彼女がいきなり声をあげた。





は?キュンキュン?

なにそれ?

したい、ってことはなにかの動作?

意味わかんねぇ。

つーか、いきなり叫ぶなよ。

うるせぇな。





頭の中で“キュンキュン”が示す意味を模索しながら。

自分のわからない言葉を使う彼女に小さくため息を吐くと。

俺は手に持った缶ビールをテーブルに置きつつ。

角を挟んで座る彼女の顔を見た。





「…“キュンキュン”って、なに?」

「えーっ!?知らないの!?わからないの!?“キュンキュン”だよ!?」





アルコールがだいぶまわっているのかもしれない。

彼女は大袈裟なくらいに声をあげ「知らないってー!」と俺を指差し笑っている。





おいこら、バカにしてんだろ?

知らねぇから聞いてるんだろうが。

俺はそう言いたいのをグッ、と堪えた。





< 1/ 17 >