ケータイ小説 野いちご

シンデレラの一族

中1、夏
届かない三人


◇◇◇


「私は、華澄たちに言っていた通り、ずっと一人だったの」


うつむき加減にそう話してくれる。


「でも、寂しくなんてなかった。
代々村人を束縛して、洗脳していく家系に生まれたことも、全然苦じゃなかったの。ほんとよ

だって、伊織兄たちがいたんだもの」


…本当にそうなのだろう。
お兄ちゃんの部屋の小池さんは、嬉しそうだった。
私たちがあのような顔をさせてやれたことがあっただろうか。


「小学校の頃はまだ良かった。
ちょっと廊下を走れば会えたしね。
でも、伊織兄たちが中学に上がっていっていってから、年の差というものがはっきりしてきてね」

小学校、中学校では建物ごと変わってしまう。
休み時間に会いに行く、なんてことはできない。

「四つも違うって、酷なんだ。
ようやく中学に追いついたらいなくなっちゃうしね。
まあそんなこといいの。
とにかく私は、仲間はずれだった」

「……」

「…憧れてたの。
あの三人に。
だって、いつだってキラキラしててさ。

伊織兄が好きだって気づいたのは、だいたい小四の頃。
ちょうど、伊織兄たちが中学二年のとき。

鈍感だったからね、私。
本で自分の症状が当てはまって、初めて恋だって気づいたの」




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