ケータイ小説 野いちご

悪魔とドレイの聖夜の話。

悪魔なアイツは年下上司



 教室のような室内に、教授と思しき人物とその生徒らしき女子が何やら畏まった様子で対面している。

 教授は大きな黒板の前に立ち、生徒は机についていて、今からまさに授業が始まろうとしているようだった。

「さて、遠山くん。今日が何の日か知っているかね」
「はい、先生! 今日はクリスマスです!」

 少し鈍くさそうな女子が元気よく答えると、教授は満足そうに頷いた。

「宜しい。では、クリスマスとは何か答えたまえ」
「はい! クリスマスとは、キリスト教では偉大なる聖人が誕生した日であるとされ、我が日本国に於いては世の恋人という恋人がプレゼントを渡し合い、アハハウフフとあんなコトやこんなコトに勤しむという勘違いも甚だしい、だがしかし勘違いなんてしてないわよそういう日でしょハートマーク。という実に愚かでハッピーな記念日の事です!」

 やや早口で答え上げた生徒に、教授がすかさずオーバーアクションで諸手を上げる。

「マーベルァス! 素晴らしい! そう、今日は実に愚かでハッピーな日なのだ! さあ、我々もチキンにケーキと洒落こもうではないか!」
「ハイ、先生! 聖夜を存分に楽しみましょう! 靴下も用意しましょう!」
「そうだな! そうしよう!」
「楽しいですね! 恋人なんて居なくても楽しいですね!」
「アハハハハ」
「ウフフフフ」


 ――というのは私、遠山あかり29歳の脳内で上演されている愚にもつかない茶番劇だ。
 ちなみに、教授と生徒に扮しているのは私である。



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