「えなー、ブルの散歩行ってー」 「はぁーいっ」 学校から帰り、部屋着に着替えたわたしを呼ぶのは、おかあさんの声と『わふっ』とほえる愛犬・ブルさんの声。 「ブルさん、おまたせー。いこっ」 『わふっ』 我が家のアイドル、フレンチブルドッグのブルさんは、わたしがおさんぽ用の青いリードを持つとうれしそうに足元をぐるぐると走る。 そんなブルさんにリードをつけ、急ぎ足で家を出た。