ありふれた高校生活、大好きな親友。
うまくいっている私、三宅 桜の生活。
彼氏いない歴は年齢と同じ。
でも、私は特に恋愛には興味が無かった。
平凡に生活が出来ればそれでいい…そう思っていた。

でも、ある人との出会いが私の人生を狂わせて行った…。


***


「ねえー!見て、生徒会長だよ!」
廊下を歩いている最中で隣にいた親友、新庄愛花が突然話しかけてくると前方に指をさした。
見ると前には長身の男子が数人歩いていた。
どの人が生徒会長なのか、私は知らない。

興味が無かったのだ。
ただ、愛花はとても興奮していた。
「超かっこいい…!!」
まあ、まだ高校生活も始まったばかり。
半年は過ぎているが、知らなくてもあまりおかしくはないかと勝手に思っていた。

「愛花本当に好きだよねー、どの人が会長なの?」
苦笑しながら、そして前方を歩いている数人の男子生徒を見ながら、目を輝かせている愛花に聞いた。
「えっとね、真ん中にいるちょっと茶髪の人!!あれ染めてるのかな〜」
愛花に言われて男子を見ていくが茶髪の男子は一人しか居なかったのですぐに分かった。
一番チャラそうだし、茶髪のせいか余計に目立つ。

すごい…あんな人なんだ、会長って。
不思議と怖いと思った。
後ろ姿だけだからよく分からないし、勝手に決めつけるのも悪いが。
のんびりと歩いていた二人は、次が移動教室だということをすっかり忘れていた。

キーンコーンカーンコーン…

「え?!授業始まった?!」
会長を眺めていた愛花がはっと我に帰ると私を置いて走っていく。
「え!愛花?!ちょっと待って!!」
突然走り出した愛花につられ私も走ったが、会長達は急ぐ様子も無かった。

授業なのに…大丈夫なのかな?
私はそんな彼らを横目に見ながら追い抜かして行った。