【布団が吹っ飛んだ】

【お餅の気持ち】

【私の前人は善人】

【佐藤さんの砂糖】

帰り道、ダジャレを書きまくっては吉川君に見せる。
何故こんなにも沢山ダジャレが浮かぶのか自分でもわからない。
ただ、ドンドンひらめいてしまう。
けれども、どんなに書いても吉川君はメモ帳を見ては無表情。
勿論言葉だって発してない。
なんなら嘲笑ってもらった方がスッキリするのに……。
これじゃあ公開処刑もいい所。

【笑ってよー!】

「やだね」

まさかの即答。書いてる真っ最中に言われた。

【お笑い番組とかどーやって見てるの?】

これ、聞きたい。気になる。

「普通に笑ってるつもり 」

つ、つもりですか……。
それ、多分笑えてないです。

「じゃあさ、聞くけど愛は何で俺の事康介って呼んでくれないの?」

きゃふす。
そんな契約はしてないはずです。
契約書にサインした覚えがありませぬ。
しかも

【呼び方何でもいいって言ったじゃん】

確かに言ったはず。
私も言ったはず。

「そうだけどさ…その……ブツブツ……」

急に口ごもって何かを言い出す。
上手く聞き取れない。

【あの、もしもし?】

顔を背けられているので表情もわからない。
多分無表情だと思うけど。
顔色を窺うように吉川君をのぞき込む。
するとそこには

「なんで…なんで岡崎だけ名前で呼んで俺には名字呼びなんだよ…」

頬を膨らませた私の彼氏がいました。