この町は荒れていた。 


私はなぜか高値で売られては、そこの場所で一日中働き続けた。
名前も知らない。年も、住んでた場所も、誰が親かも分からない。

唯一分かってるとすれば、どこかのお姫様だってこと。商人が私を売るとき言っていた。

でもどこへ行っても、ただただ、重労働の仕事をひとりですべてこなしていた。手にまめができようが、そこから血が出てしびれるほど痛くなろうが。足を止めたくなるほどつらかった。

だがある日、転機は訪れた。