―妃鞠Story*



「んー……」


ふと目が覚めると、もう夕暮れだった。

ぼぉーっとしてしまう。



「あら、妃鞠。起きたのね」

「うん…」

「でも熱はまだあるわね…、りんごのすり身食べる?」

「いらないや…、それよりお水ちょうだい」



お母さんはお水を取りに、階段を下りて行った。

まだ熱があるせいか、頭が痛い。


鼻水をティッシュでかもうとしたとき、不意にティッシュを渡された。



「これが欲しいのかい?」

「え…蒼斗クン?」




何故かあたしの部屋に蒼斗クンがいて、少しだけすっきりしたような表情だった。