純粋に色んな涙の色があるんだな。と知った。
もらい泣きの色は物凄く単色だし。
大人が流す涙はだいたい汚い。

何か罪悪を感じてる奴らのは特に薄汚い。
演技か?

俺は友の葬儀にいつもはだらしなく着る制服を正しお焼香あげる列に並びながら一つ学んだ。

そして、長い列に並び、普段は関わろうともしなかった女子たちの集団演技やアイツを腫れ物みたいに扱っていた教師やらの薄汚い泣きっ面を遠目でボンヤリと見ながら俺は、友の死に顔を見たら明日には燃やされて本当にさよなら。なんだと受け入れてしまって
なんだか心から何か欠落していくような虚無感を感じていた。

列が1つ前進する。
嗚呼、俺の番は必ず来る。
俺は、最後に何て言葉をかけたらいいんだ?
頭が真っ白なようでなんだかぐちゃぐちゃだ。
棺の死人はきっと綺麗なはずだが、背景が余りにも汚すぎるんだ。


実の娘が死んだっていうのに母親は何故か女ったらしい喪服に真っ赤な口紅を塗ってどこか余所事のような顔ですましてやがる。

父親は、頭を下げてしくしく泣いている。

また列が1つ前進するーーー。

あいつの親父の顔を初めて見た。
嗚呼…なんて白濁とした濁った薄汚い涙なんだ。

涙に自分の無視し続けた罪悪が一緒に流れているようだ。

なんて醜い親と一緒にいたんだ。
そりゃ、死にたくもなるわな?

友の死因は自殺だったーーー。