あー、どうしよう。


これは困ったぞ、かなり困った。




「……いひゃい(涙目)」



え、ちょっと待って…じゃあなに、痛いってことはこれは夢でも幻でもないってこと?




「………どうなってんの?」



そう呟いたその時。



ーーーガサガサっ…




「ひっ、な、なに!?」

「…」

「……へ、あれ?」



出てきたのは人だった。

薄暗い森の中に溶け込むような漆黒の髪。しかしその逆で、暗闇でも分かるくらい輝いている青い目。

その髪と目に負けないくらい整い過ぎの顔立ち。



綺麗という言葉が、まるでこの人の為にあるようだ。