「南先生ー!」


「ん?どうした?」


俺は、暁くんくらいの男の子に名前を呼ばれ振り返った。


「ここの問題なんですけど…

ちょっと分からなくて…」


「あぁ、これは…

この公式を使って、んでこう解くんだ。」


「あっ、そういうことか~!

ありがとう、南先生!」


「おう、また分からないとこがあったら…

いつでも言ってこい。」


俺は、男の子に解き方を教えると男の子は笑顔になり、そのまま俺から離れて行った。


「似合っていますよ、南先生。」


「お前の方が似合ってるよ、水無月先生。」


男の子が離れると隠れていた水無月が俺に言ってきた。


「南さんは、頭が良かったのですね。

てっきり、体育の教師をすると思っていましたよ。」


「おい、それは俺をバカにしているな?

暁くんは、数学が苦手らしいから…
俺は、数学の教師になるしかなかったんだよ。

これで、他の奴等に怪しまれずに暁くんと接触できるだろ?」


暁くんを居残りとかにすれば、二人でいても怪しまれない。

だから、俺は数学の教師になるしかなかったんだよ。