~ 水無月 視点 ~


「どう?

お兄さんと暁くんは、上手くいってる?」


私は、一人部屋でパソコンを触りながら携帯を耳にあて、変人のバカ声を聞いている。


「私に聞かなくても分かるのではないですか?

あなたは、そういう勘は鋭いですし…
そう仕向けたのですから。」


なぜ、私に聞くのか!

忙しいと分かっているだろうに!


「えぇー、仕向けたなんて酷いなぁ~

あのお兄さんなら、暁くんを助けてくれると思ったからだよ~」


「………あの人に似ているからですか…?」


私が、そう言うと…

結城は、黙り何も言わなかった。


「結城が、あの人の代わりをすればよかったのでは、ないですか…?

今までも、そうしてきたのですから…」


何故、今になって…

結城は、暁くんを見放したのか…


「……俺に代わりなんて出来ないって気づいたんだ。

暁くんも俺に代わりをして欲しいわけでもないからね。」


結城の声は、どこか悲しんでいるように聞こえた。