「ねねっ、今日この後暇?てか暇だよね?」


授業が終わり、心はあたしの机の前まで来て、机をバシンッと叩く。


「ん?…あ、うん。暇だけど」


心の噛み付くような勢いに思わず身を引いてしまった。


「じゃあさ、一緒にクレープ食べに行こっ!…この前雑誌で紹介されてたお店が美味しそうで〜」


「はいはい、行こう行こう。」


心の話は長くなるから嫌。


眠くなっちゃうし、早く行かないと外も暗くなっちゃう。


「それでね〜」


なんて、学校から出ても心は話続ける。


茜色に染まった空。


綺麗だなとぼんやり思っているうちに、意外と近かったのか


「ここだよ〜」


すぐにお店に着いた。


そこはあたしにとっては見慣れた外観のお店。


「美味しいクレープがあるところって“クローバー”だったの?」


「え?あれ、知ってるのこのお店?」


いや、知ってるもなにも


「…バイト先」


あたしのお世話になってる場所。


駅前の喫茶店。