☆☆☆




ちーんっ。




きっと漫画なら、こんな効果音がついているんだろうな。



羽菜さんが出て行き勉強を開始したものの。

すぐにアックンもアユも勿論私も、勉強を放棄し始めた。



「アオの成績は知っていますからそんなに驚きはせず当然の結果だろうなと思っていましたが、まさか真島や真島さんまで落ちるとは。
僕には想像できない世界ですね…」

「ハルキひでぇー」

「想像できない世界なんて、言いすぎじゃなぁい?」

〈私が落ちるの予測していたの?〉

「真面目に勉強したら10点なんて取れませんから」

〈あれは抜き打ちの小テストだったの。
クラス最高点を取れるアユが可笑しいんだよー〉

「結局その真島さんも、奇跡がたまたま起きただけみたいですね」

「たまたまじゃないもーん。
あたし数学だけは得意なのぉー」

「今やっているの数学ですけど?」

「数学苦手ー」

「先ほどと言っていること、矛盾していますけど?」

「気にしないでぇー」



私は止めていた手を動かし、ワークを解いて行く。

ただすぐにわからない問題にぶち当たった。



〈ハルキくん教えてくれない?〉




頭良いはずのアユとアックンはアテにならないからね。