☆アユside☆




夕ご飯を食べ終え、あたしはお風呂へ行く前に、お兄ちゃんの部屋へ行った。

お兄ちゃんは明日あるらしい数学の小テストの対策プリントをやっていた。

お兄ちゃんは馬鹿っぽいけど、凄く頭が良い。

学年での成績も、あの水川ハルキに続く2位らしいから。

人は見かけによらないなぁとつくづく思う。




「お兄ちゃん、あの水川ハルキって…」

「…気づいていたか」

「大丈夫なの?
何でアオに近づけたの?」

「…あーちゃん、まだ声出ていないんだろう?」

「うん…」

「声出せそうになる兆しはあるのか?」

「ないよ…」

「ならハルキに治してもらおうって思ってな」

「何でそこでハルキくんなの?」

「わかってんだろ」



お兄ちゃんはプリントを解くのをやめ、椅子を降り、あたしと同じ床に座る。



「アユ、お前に言っておきたいことがある」

「何…?」

「信じられないかもしれないんだがな」

「うん…」



あたしはお兄ちゃんから、衝撃の一言を聞いた。