「葵!そのまま保健室に連れてってあげて」

桜の声が聞こえる。

「わかった。…みぃ、いいな?運ぶよ」

みぃに声をかけ、背中と膝の裏に手を回して抱きかかえた。

みぃは、俺の腕の中で小さく頷いた。


無理して学校に来るから…


小さなみぃが一段と小さく見える。


俺の腕の中の小さなみぃは
「ケホケホッ」と咳こんでいる。

「あ、おい。…ごめ、んね」

いつも人に迷惑をかけてないかと心配ばかりするみぃ。

誰も迷惑だなんて思ってないのに。


そう思いながら、かな兄に連絡を入れる。