キーボードを打つ手を止め、腕時計を見ると、まだ6時だ。




今日はちょっと早く帰れそうだな……。





ふぅっと息を吐き、一気に片付けてしまおうと、ディスプレイに向き直った。





そのとき、デスクの上に置いてあったスマホがぶるぶると震えた。





見ると、吾郎からのラインだ。






『おつかれー

帰りは何時くらいになりそー?』






『8時には家に着くと思う』と返すと、すぐに返信が来た。






『家でご飯食べる?』




『うん』




『じゃあご飯つくって待ってるよ

朋ちゃんなに食べたいー?』







そのお申し出は大変ありがたいのですが。




吾郎はあんまり料理が上手くない。