――皮膚科――


――診察室――








あれから、二週間後──。




夏休みに入り。






掬恵の血液検査の結果が出ていた。






東先生が検査結果の用紙を食い入るようにじっと見ている。







「やっぱり、少し金属アレルギーがあるみたいだね……」







「そうなんですか……」





少し落ち込む掬恵。







「うん。でも、眼鏡をやめて、コンタクトにしてみたらどうかな?」






「コンタクト──」






“コンタクト”という言葉が掬恵の中にスッと入ってこない。







「僕は、そうするのがいちばんいいと思うけど」







──眼鏡をはずす決断。







それは、私を長年支えてくれた相棒と離れること。






あぁー、考えるだけで何だか凄く切ない。







「どうする──?」






東先生の柔らかい物腰。