「あの、○○カフェですか?
そちらにあやさんって
アルバイトの方いらっしゃいますか?」

以前、修の携帯を覗いたときに
調べておいた
あのカフェの電話番号だった。

かなり怪しい電話だったのに、
「 ? ああ!あやちゃんのこと?
少しお待ち下さい。」

と言って取り次いでくれた。

「はい。お電話替わりました。
高岡亜矢子ですが。」

高すぎず、ひくすぎず、
真っすぐな声だった。

「あの、私、森アヤといいます。
多田修くんの友達です。」

「え?誰?修の友達?」

「はい。以前あなたと
会った事もあるはずです。
 駅前で。
お店のクッキーをもらったわ。」

ほんの少し、間があいた。