ハルの置いたデジカメの画像を確認すると、隣で青い顔をしている高田さんに気づいて、心の中でため息をついた。

やっぱりそうか…

先生の明らかに何かを隠している様子を見て、さらに確信する…

あの入口は地下牢の入口だ、と…

自分はたぶん、あの地下牢に出入りする機会はなかったと思う。

けど、ルドや陛下なら知っていて当然の人物だ。

先生のごまかし方からしても、さっせれるぐらい…

明らかに高田さんは気づいているし…

「あ・あの、そろそろお昼にしませんか？今日は、うな重を取ってみました」

高田さんは自分の視線に気づいたのか我に返ると、あらかじめ出前で取っておいてくれた、うな重を台所に取りに行った。

「わぁ〜今日はごうせいですね〜土用の丑の日でしたっけ？」

明らかに気づいていそうな山形さんが、陽気に言った。

「いいえ、近くのうなぎ屋さんで、感謝フェアのチラシを見かけたので…」

ちょっと、フェアと言う言葉の響きが嬉しそうな高田さんがお盆に、うな重の箱を乗せて運んで来た。