7月中旬の視聴覚室は、窓から太陽の光がサンサンと差し込んで、外より少し気温が低い位暑い。


だがオレの体温は……まるで幽霊の手に下から撫でつけられているかの様に、スーーーッと下がっていた。


「オレが傷つけて、どうすんだよ…………」


ギッと床を睨みつけていると、先程の湖柚の表情が脳内に蘇る。


悲しそうな、さみしそうな、傷ついた様な――――…いい感情なんて微塵も無い表情だった。


「チクショー……」


片手で顔を覆い、視聴覚室のイスに腰掛けた。


湖柚にあんな表情をさせるつもりなんて、これっぽっちも無かった。