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僕は次の日、電車を乗り継ぎ、隣の駅へやってきた。



遥華市の隣にある大井(おおい)市は、あんまり評判が良くない。

暴走族なんてザラにいるし、法律違反のクスリを売る人もいるし。

市全体が繁華街みたいなものだ。




カツアゲしてきた男たちを、念のため持ってきたお金を渡し、追い払う。

面倒なものだ。

何故自分で稼がない?




・・・病気を持っていても、組織のために働く人も、中にいるのに。




昨日コピーした地図を頼りに、僕は喫茶店サンライズを目指す。

冷やかしじゃ悪いから、コーヒーを飲んでいこう。




【喫茶店 サンライズ】



正直言ってボロい看板に、そう書かれていた。

さびれた金のドアノブに手をかけ、思い切り開ける。

カランカランと良い音がした。




「いらっしゃいませー。お1人様ですか?」

「はい」



出迎えてくれた店員さんらしい男の人。

その腕には、竜の描かれた刺青があった。