「先生!みゆさんが!」

病院が一気にざわついた。

「すぐにみゆさんのご家族に電話しろ!

はやく!急げ!」

「は、はい!」


「すぐに手術を始める!

用意しろ!」

…正直、救えるかはわからない。

みゆさんの生命力次第だ。

みゆさんが生きたいと強く願えば、生きられる可能性が少しでも出てはくるが…
みゆさんが生きたいと願っていなければ、この手術は、成功しないだろう。



「先生!」

慌てた様子で私のもとへ駆けつけてきたのは、みゆさんのお母様。

「急遽、手術をします

お母様はここで落ち着いて座っていてください。」

「娘はっ、みゆは助かるんですか!?」

本当は助かりますといいたい。
だが、救える保証がないため軽はずみな発言はできない。

わたしは、最善を尽くしますとだけ答え、手術室にはいった。