気がついたら俺は何処かの駅前通りにいる

(ここは?)

見覚えのない駅がある

(ん?)

耳のあたりに違和感を感じる、触ってみると小さなマイク付きで片耳のイヤホンが着いてる

「あーえー、聞こえてますか?スリンガー」

イヤホンから声が聞こえてくる
声からしてレイナのようだ

「聞こえてますよ」
「任務中はこれで指示をだすので無闇に外さないで下さいね」
「わかりました」
「それではさっそく......」

そう言った後、レイナは視界の右側にある路地裏を見てくるようにと指示をだす

「あなたに言われたとおり、ターゲットの過去にあなたを飛ばしました」

俺は路地を覗き込んでみる
すると一人の女子を複数人で虐めているような様子見てとれた
どうやら虐められているのはターゲットのようだ

「ここで、彼女を助けるんでしょうか」
「いや、ここで助けてしまうと少なからずタイムパラドックスが起きてしまい、現在に支障が出来てしまうので下手に手出しは出来ません」
「そうですか」

少し残念だな
まあいい

「どうやら彼女は日常的に虐めにあっていたようですね、親は幼いころに死んでしまい、親戚に引き取られたようですが、そちらでもあまりうまくいってないようです」
「そうだったんですか」
「夢中になっていた趣味も特にないようですし、多分生きる糧となっていたのはあなたを思う恋心だったようです」
「そこまで......」

そんなに俺のこと......思っていてくれたなら......

「どうですか?なにかいい案が思いつきましたか?」
「はい」

そう返事を返すと自分の隣にレイナが現れる

「それでは行きましょうか」
「2014年9月20日のあの教室に......」