「あっ!蜜!あれかわいい!!」


はぁ―……


そのセリフこれで何十回目だ?


どうして女ってのは、こんな何度も何度もかわいいを連発するんだよ。


つーか、これがかわいいっていうセンスを疑う。


透子の手に取った小さなパンダのマスコットを受け取る。



「これのどこがかわいいわけ?」


「えっ?どこがって普通にかわいいじゃん」


普通にかわいいって、理由になってねぇし。


つーか俺も俺で、なんでこんな買い物に付き合わなきゃいけねぇんだよ。



そもそも事の発端は昨日の昼間に来た電話だ。


―――――――――――……



『もしもし!あたし!透子』


「あぁ」


それくらい言われなくても画面に表示されてる。


「今日こそ蜜のアパート……」


「ダメだっ!!」


間髪入れずに断った。