Side瞬

***


「もうお前らには何にも言わねえ。」


「ごめんって!・・・ぷっ、あははっ!!」


今日もネタにされて笑われてる。


この前、よりによってちぃの目の前で『俺の恋応援すんじゃなかったんかよ!!』なんてあいつらに向かって叫んだこと。



でも叫びたくもなるだろ!


俺の恋を応援するために、知らんぷりするから相手を偵察しに行こうって、あいつらが言ったんだ。


そしたらナンパ始めるし、あいつなんかアドレス聞いてたじゃねえか。



で、叫ぶだろ。



ありえねぇ。


まじで最悪。



だけど。


こいつだけは許した。


安藤一馬(アンドウ カズマ)。


こいつは唯一、お膳立てをしてくれた。


そのおかげで今日の放課後は、ちぃに会える。


「おめえら絶対来るなよ。」


「なにそれ?フリ?」


「大丈夫だって。俺にまかせとけ。」


一馬は本当に頼りになる。


「あの子がいつか瞬の彼女になるわけかー。」


「うわーくそむかつく!すげー絵になる!」


「なんでだよ。告ってもねえよ。」


「いやいや!前のアレは告ったようなもんだろ!」


「・・・ちっ」



がたんと机を蹴ると、先生のチョークが飛んできた。


「お前らさっきからうるさいぞ!」


「「「うぃーす」」」



この無駄な授業こそ、早く終わってほしい。