あれから1週間、


学会出張から帰ると、仕事と報告レポート作成に追われ、悟さんとのことを考える余裕なんてなかった。


違う、本当は考えたくなくて避けていただけ。


悟さんから何度も電話と「会いたい」というメールが送られてきた。


でも、忙しさにかまけてスルーを決めこんだ。


逃げているだけでは何も解決しない。


そんなことはわかっている。


先延ばしにしても結果は同じ。


もう答えは出ているというのに。


「情けないよな」


診断、治療は慎重かつ迅速に。


消化器内科で研修をしていた時に、指導医だった彼が教えてくれた。


にもかかわらず、


自分の決断は迷うばかり。


「はぁーっ!」


ため息を吐くと幸せが逃げてしまうなんて言うけれど、もう一生分のため息は吐いてしまったかも…。


今のままでは前には進めない。


もういい加減、はっきりさせないと



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