ケータイ小説 野いちご

神様修行はじめます! 其の四

始まりの足音


「あのさ絹糸、いきなりなんだけどさ」


「なんじゃ、いきなり」


「だから、いきなりだけどって断ったじゃん」


ということで、いきなりなんだけど・・・・・・。



春の陽射しって独特で素敵だと思わない?


まるで女神さまの両腕に包み込まれているような。


そんな、とっても優し~い温かさを感じない?



「ね、しま子もそう思わない?」


「うああぁ~~」



しま子があたしの隣に正座しながら、返事をした。


その肩や頭の上には、お掃除係の小人さんたちがいっぱい乗っかってる。


ロッククライマーみたいに、しま子の体によじ登って遊んでるんだ。



チャレンジャーだなぁ。小人さんたち。


頭のてっぺんまで到達した小人さんは、えっへん! と胸を張って得意そう。


楽しそうなその様子に、優しいしま子は嫌がりもせずニコニコしてる。



「ふむ。厳しい冬の寒さの後じゃ。ありがたさも格別じゃて」



絹糸があたしのヒザの上で、丸まりながらそう答えた。


・・・なんだか半分寝ぼけてるような声。


どうも絹糸って最近、寝てばかりいる気がするんだけど。



「ちょっと、まさか老衰? 多臓器不全じゃないよね?」


「よさぬか。シャレにならぬわ」



嫌そうな声の絹糸に、あたしはプルプル首を横に振る。


いえ、シャレの要素は一切ありません。


だって絹糸の場合、年齢のケタ数がハンパないんだもん。


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