レアな笑顔を見せた後、再び無表情になった爽と並んで歩き続けた。



何も言わなくなったってことは、タニリキに行くことに納得してくれたってことなんだろうか。



うーん。


まだ、奴のことをよく理解していないあたしには、何を考えてるのかさっぱりわからない。



「ね、ねぇ!」



小さな輪っかのピアスが付いた耳が、髪の毛の隙間から覗く。



キリッとした瞳でジロリと見られて、思わず唾を呑み込んだ。



「なんだよ?」



「いや、もうちょっと愛想良くさ、こう……」



やんわりした雰囲気を醸し出せないワケ?