あの頃の俺は世間知らずでどうしようもないクソガキだったんだ。
高校でヤンキーに憧れて両親に反抗してばかりで夢も希望も持たずに大学にもいかず、親から奪った金で夜遊びしていた。
それが長く続き両親にも見放され、荒れていた俺を唯一気にかけてくれた存在。
それが幼稚園からの幼馴染みで親友の間宮 圭人(まみや けいと)だった。

あいつは俺と何もかもが正反対で、細くて華奢で頭が良く誰にでも優しく正義感を持っていた。
その為周りからは絶大の人気だった。
顔立ちも綺麗で小、中、高、女子に告白されるなんて日常茶飯事だっただろう。
俺はそんな圭人が誇りであり、恨めしくも思っていた。