みんな先ほどのゲームで疲れたのかそれからは口数が少なくて教室はシーンと静まり返っていた。


……つかの間の安息?

安息なんてできるわけがない。

どうせまた次の指令がくる。


――ガタッ。

すると、突然諏訪野が立ち上がった。


サバイバルナイフをカチカチと揺らして、その手は鍵の閉められたドアへ。


「ど、どこに行くんだよ?」

日野沢と渡辺が言い争ってる時も諏訪野は考えるように黙っていた。

なんだか〝らしくない〟とは思ってたけど……。


「このバカげたゲームを終わりにするんだよ」

諏訪野の鋭い目。


「終わりにって……?」

正人と俺の声がハモった。


「たぶん有栖川はB校舎にいる」

AやBという名称は分かりやすいように生徒たちが勝手に付けた名前だけど、正確には東棟。

こことは違う向こう側の校舎。


俺の脳裏に〝あの目〟が浮かぶ。


「さっきの鬼ごっこで襲ってくる奴らを倒しながら俺は同時に有栖川も殺してやろうと思って探してた」

「……殺すって」

「当たり前だろ。俺たちをこんな状況にしたのはアイツなんだ。もう死んでいようとなんだろうと八つ裂きにしなきゃ気が済まねえ」


ギリッと諏訪野が歯を食い縛った。