「彼氏がほしい彼氏ほしい~!」


「………………」


「そうだ、恋をしよう」


「………………」


「こう…キュンキュンすること起こらないかな~」


ふぁ~、とテーブルに突っ伏す。


「うっせぇな」


目の前で黙々と教科書を読んでいた千暁が、ついに呟いた。


「だって~!」


テスト前。


彼氏に勉強を教えてもらう、って誰でも夢見ることだよね!


なのに、なんで。


「なんで千暁なの~!」


「なんで俺じゃダメなんだよ」


「……千暁だし」


「俺結構モテんのよ?」


「えぇっ、千暁が?」


「俺が」


突っ伏したままの私の頭を、ポンポン叩く。


「謎だわ」


「うっせ」