【想乃side】
今までは暇で暇で仕方なかった夏休み。
一日中一人で過ごして、ひたすら仕事から帰って来るママを待ってたっけ……
でも今は………
一人暮らしだけど寂しくないんだ。
「チビ。喉渇いた」
「はいはい。麦茶で良い?」
「喉の渇き治まれば、なんでもいい」
ぶっきらぼうに答える大好きな人。
夏休みってこともあり、駆琉が家に来てくれる。
そして、今日はお泊り!!
「ねぇ、駆琉!晩ご飯何食べたい?」
「んー……なんでもいい」
「なんでもいいばっかじゃない…。真面目に答えてよっ!」
「じゃあ、想乃」
ニヤッと笑ってあたしを指差す。
しかも不意打ちの名前呼び!!
付き合い出してから「チビ」よりも「想乃」って呼んでくれるようになった。
なんだか、くすぐったい……。
「で?どうなの?食わせてくれんの?」
「ダ、ダメに決まってるでしょ!」
「あっそ。でも、油断すんじゃねぇぞ」
この猛獣どうにかして……。