「おい!立花遅刻だ!」



「あんたはベンチに入るんだろ!」



相ケ瀬くんの声が目覚まし時計のジリリリって音並みにうるさい。



まだアラーム鳴ってないんだから、もう少し眠らせてよ。



「んーもう相ケ瀬くんうるさい…」



「相ケ瀬くんうるさいじゃねぇよ!いつまで寝てんだよ!今日大会だから。バカマネ!」



また呼ばれたくない名前で呼ばれた。



あたしはカチンと来て、ベッドから起き上がった。



「バカマネって呼ばないでよ!これでも頑張ってるの」



「今、7時。集合は7時半、じゃあな」



部活の上下のジャージに、エナメルバッグを背負った相ケ瀬くんはそれだけ言うとあたしの部屋から出て行った。